ちょっとちょっと、そこの方、”やがて君になる7巻”読みました??
読んでない?
でもちょっと抑えきれそうにないのでネタバレしながら語っていいですか?
もう一言でいうともう、佐伯沙弥香~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!
って感じです。今巻の主人公は間違いなく沙弥香でした。
そして沙弥香と侑の対比がバリッバリに効いてます。
燈子に対して先に一歩踏み込んだ侑、先に踏み込まなかった(込めなかった)沙弥香、
踏み込んで後悔している侑、踏み込んで満足している沙弥香、
あなたが好きな私でずっといられるの?、あなたが好きな私になりたいと思う、
燈子に手を引かれて階段を降りた侑、燈子の手を引いて階段を登った沙弥香、
「『好き』ってなんだったんだろう」、「好きよ燈子」
ズルい。関係性オタクなので泣いちゃう。
そしてボートの上での会話、「変わりゆくあなたをずっと好きでいられるのか?」、やがて君になるのテーマといっても過言ではないでしょう。好きを知っている沙弥香が好きを知らない燈子に対して、燈子と侑の関係に対してアドバイスをする形になっているのだから残酷です。ただ沙弥香にしかできない役回りではあるわけで、はー………こう落としてくるんだ………と脱帽の限りです。
示された回答である、「あなたは私の好きなあなたでいてくれるだろうっていう 信頼の言葉 かな」はそのまま燈子の侑に対する期待へのアンチテーゼになっていて、すなわち、「侑は私の好きな侑で、”私を好きにならない”侑でいてくれるだろう」という呪いを解く鍵になっているわけです。この呪いは沙弥香の答えと一見矛盾しているようではありますが、実のところこれは侑にかけている呪い以上に、七海燈子自身にかけている呪いであって、「好きとは束縛する言葉」だから、「侑が私を好きにならないでいてくれるから、私は誰にもならなくていい」から、「侑が私を好きになったら、本当の意味での七海燈子にはなれないかもしれないから」好きを拒絶し続けたのですが、沙弥香は変わり行く燈子をそれでも好きだと、いや、信頼しているのだと告げられてやっと、変わりゆくあなたはそれでもあなただという答えに辿り着けたわけです。
正直自分でも何書いてるのか分かんなくなってきましたが、とにかく129pでも述べられている通り「沙弥香じゃなきゃわからなかった」のは間違いないわけで、ある意味では「私だけがあなたの特別でいられた」のです。