北海道旅行

院試も終わって学生時代最後かもしれない長期の休みに北海道に行ってきました。去年のリベンジです。大分時間が経ってしまったけどやっと書く暇と気力が出てきたので貧乏旅行の想い出を書き残しておく。

 

8/31

院試が前日に終わり、院試の打ち上げも終わり、とりあえず合格していることも分かり旅行をキャンセルしなくて済んで一安心。本当は朝にでも旅立ちたかったものの、Jetstarの中部-新千歳便は朝夕二便しかなく、しかも朝の便は夕方の便の倍近い値段だったため午後からのんびり出発することに。でも前日まで全く準備をしていなかったので朝出発だったら大変だったかもしれない。

f:id:pianishimo22:20191013220721j:plain

機材の到着遅れで搭乗開始時間が遅れたりしつつも無事テイクオフ。

f:id:pianishimo22:20191013220745j:plain

基本的に曇っていたものの、中央アルプスの真上はちょうど雲が切れていて穂高岳の涸沢カールを眺めたり。

f:id:pianishimo22:20191013220632j:plain

そんな感じで夕闇迫る人生二度目の北海道に着陸。御覧の通りの時間なので一日目は車を借りて20kmだけ移動して、道の駅マオイの丘で車中泊。夜ご飯は近くのセイコーマートのパスタのみだけど、ひさびさのセイコマご飯なので嬉しい。セイコマのパスタほんとにおいしいですよね…安いし………!寝袋に潜り込む。9月といえど北海道の夜はもう寒い。

 

9/1

実質初日。本日の目標は釧路!

霧のR274をひた進み、途中r610を経由して占冠へ。道の駅で休憩した後、トマムを通ってR38へ。本日最初の目的地は狩勝峠十勝平野を一望。やっぱりこういう大地のスケール感が北海道独特で、本州にこんな所はないなぁと思ってしまう。

f:id:pianishimo22:20191013221639j:plain

峠を下って一転晴れの十勝平野へ。帯広のスーパー銭湯で入浴した後、帯広駅へ。ちょうどお昼時で何を食べようか迷う。帯広駅前ではちょうどフードフェスが開催されていて、さらに迷う。名物の豚丼かインデアンのカレーか、さんざん悩んで元祖豚丼のぱんちょうへ。

f:id:pianishimo22:20191013222413j:plain

正直に言ってしまえば物珍しさはなくて、豚ロース肉を炭火で焼いて醤油ベースのタレを絡めたシンプルな一品なのだけれど、これがまた柔らかくて香ばしくてどうしようもなく期待通りに美味しい。もう食材からして多分美味しいのだろうし、北海道の底知れなさをひしひしと感じる。

店を後にして六花亭の本店に行く。私は六花亭のバターサンドが本当に大好きで、本店にある喫茶室にも行ってみたかったのだけれど、満席だったので仕方なく退散。いつかまた絶対来るからね帯広!

R236を南下して旧幸福駅へ。廃線になった国鉄広尾線の駅で、2駅隣には愛国駅があり、「愛の国から幸福へ」なんてフレーズで有名だったりもするらしい。駅跡周辺は整備されて公園になっていて、駅舎は幸福祈願の絵馬みたいなものがたくさん貼り付けてあったりもするけれど、それよりもロケーションがいかにも北海道でそっちの方が気に入ってしばらくのんびり散策していた。

f:id:pianishimo22:20191013224008j:plain

広尾線が現役だった時代に戻ってみたい。いや、今のJR北海道の路線にも乗れるうちに乗っといた方がいいのかな。

道道を通って豊頃町へ抜ける。途中の坂がいいロケーション。

f:id:pianishimo22:20191013225117j:image

豊頃町カントリーサインにもなっているハルニレの木へ。
f:id:pianishimo22:20191013225205j:image

十勝川の河川敷の草原にそびえる二本のハルニレの巨木。いい場所です。

f:id:pianishimo22:20191013225131j:image

ひたすらにR38を突き進み、釧路市街地へ。そこでどうやら釧路が夕焼けで有名な街だと知る。ちょうど日暮れ時なので釧路川下流の幣舞橋へ。
f:id:pianishimo22:20191013225135j:image

曲に合わせた噴水だったり、予想外の人の多さにびっくりしつつ夕日を見つめる。予定通り日暮れまでに釧路に辿り着けた。セイコーマートで夕食を購入して車中泊の予定地へ。

しかし情報が古くて予定地が夜間にトイレが閉鎖されるようになっていたらしく、仕方なくもう1時間走行して厚岸の道の駅へ。r142も走りたかったけどパス。また来なきゃね。若干冷めたホットシェフのお弁当とサッポロクラシックを飲んで就寝。車中泊でお酒を飲むのって完全に移動の足を失うのでなかなか背徳感がありますね。

 

9/2

日の出とともに起床。北だし東だしなので日の出が早い!4時半過ぎにもう明るい。
f:id:pianishimo22:20191013225214j:image

厚岸大橋を渡って、あやめが原へ。アヤメの保護のために、アヤメを食べず他の草を食べる馬が放牧されているそう。いい場所です。虫がすごいけど。
f:id:pianishimo22:20191013225229j:image

海沿いを進み、浜中町手前の琵琶瀬展望台へ。ここは事前情報なしで寄って今回一番感動した所。眼下に広がる湿原と奥に見える陸繋島。ほんとオススメです。
f:id:pianishimo22:20191013225124j:image

霧多布岬に寄って、さらに海沿いを進む。道沿いにはヨーロッパのどこか(どこ?)とも思わんばかりの光景が広がる。
f:id:pianishimo22:20191013225225j:image

ここは本当に日本なのか。
f:id:pianishimo22:20191013225212j:image

根室車石へ。放射状節理の発達した球状岩塊で、国の天然記念物。
f:id:pianishimo22:20191013225157j:image

こうなるのが理屈でなんとなく分かってもそれでも不思議な見た目。

根室市街地にいったん出てから南回りで本土最東端の納沙布岬へ。
f:id:pianishimo22:20191013225246j:image

わざわざ”本土”となっているのは北方領土も含めれば択捉島が最東端になるからで、この写真にも奥に歯舞群島が写っているぐらいに物理的には近い。あくまで旅人としては、北方領土が戻ってきてほしいなぁとは思いますね。

市街地に戻ってきて回転寿司の根室花まるへ。
f:id:pianishimo22:20191013225240j:image

回転寿司といえど本当においしい。全然違います。それでいて値段はそんなに高くない。根室に住みたい。

R44で西へ、R244、R243を経由して別海町へ。と思ったらR243の交差点を通り過ぎてしまい、新酪道路を経由してR243へ向かう。ひたすらに牧場地帯を突っ切り、工事中でダートの道を進む。別海からはr5で中標津を通って開陽台へ。

f:id:pianishimo22:20191013225128j:image

絶好の晴天。はるかに広がる大地、そのほぼ全てに人の手が入っている光景はまさに北海道ならでは。展望台にある碑の文章がまた名文。
f:id:pianishimo22:20191013225146j:image

"中標津の開陽台は、オートバイで北海道を走り回る若者たちに、聖地と呼ばれている。…満点の星の美しさにまるで宇宙の中にほうり出されたような錯覚に陥り、星間の闇は、大自然の中でのたった一人、宇宙の中でのたった一人であることを分からせてくれる。………"

R243へと戻り、弟子屈町を通過してすぐにr52を登り摩周湖へ。有料の第一展望台はスルーして第三展望台へ。

霧の摩周湖として有名で、霧のない摩周湖をみた人は婚期だとか出世だとかが遅れるそうであるが、この日は御覧の通りの快晴である。
f:id:pianishimo22:20191013225236j:image

こんな旅行をしている人が婚期だとか出世が早いわけがないのでさもありなんといった感じではある。むしろこの景色を見られるのならそれも本望である。いかにもカルデラ湖な地形が素晴らしい。

山を下って今度は屈斜路湖を半周してR243、美幌峠へ。
f:id:pianishimo22:20191013225151j:image

屈斜路湖を一望。しばし見とれる。

美幌峠を下って大空町女満別の道の駅で宿泊。一時雨が降るが通り雨だったようで、明日も天気は良いらしい。

 

9/3

オホーツクラインをひたすら北上。

網走監獄は早朝で当然やっていなくて、外観だけでも見られないかと言ってはみたものの門が閉まっていて見ることすらできなかった。さすが監獄。

紋別、興部、雄武、枝幸と道の駅に寄りつつもひたすらに北上し浜頓別へ。途中で国道を逸れ、エサヌカ線へ。
f:id:pianishimo22:20191013225311j:image

電線すらないストレート。青空。現実でこんな一点透視図法をみられる場所ここぐらいじゃないだろうか。どこまでも続いている気がする。
f:id:pianishimo22:20191013225304j:image

エサヌカ線を抜けて猿払村。知来別ですこし寄り道。自衛隊川を見に行く。自衛隊の駐屯地を流れているからこの名前らしいが、こんなストレートで明らかに近年に命名された川の名前は珍しい。
f:id:pianishimo22:20191013225120j:image

橋の下で工事をしていて、こんな川の名前以外何の変哲もない橋の写真を撮る人間をめちゃめちゃに怪しんでいた。仕方ない。

R238に戻り、さらに北上。ついに日本最北端の地、宗谷岬へ。
f:id:pianishimo22:20191013225259j:image

これで一般人の行ける日本の東西南北端を制覇。大学生のうちに制覇したかった目標なので嬉しい。
f:id:pianishimo22:20191013225243j:image

宗谷岬には本当にいろんな人がいて、ただ皆この最北端であるというだけの地に集っているというのはなんとなく滑稽でもある。私もその一人。

あとは南下するだけで、途中宗谷集落の近くの白い道に寄る。道にホタテの貝殻の砕いたものが敷いてあって、真っ白な道が出来ている。
f:id:pianishimo22:20191013225315j:image
f:id:pianishimo22:20191013225308j:image

稚内駅へ。最北端の駅。2011年に建て替えられた駅舎は綺麗で、地域の中心としても機能しているらしく、宗谷本線の未来も少し希望が持てるかもしれない。こんどは鉄路でまた来ます。
f:id:pianishimo22:20191013225154j:image

休憩してからノシャップ岬へ。
f:id:pianishimo22:20191013225251j:image

ここで日没を待とうかとも思ったが、結構時間があったので少し移動して夕日ヶ丘へ。
f:id:pianishimo22:20191013225318j:image

左の島が利尻島、右が礼文島。ロケーションも相まって人生で一番とも思えるくらい美しい夕暮れだった。日が沈んでからも茜色が収まるまで数十分島影と海と空とを眺めていた。
f:id:pianishimo22:20191013225254j:image

写真は知らないカップル。影が素敵だった。

お風呂へ移動。その途中に車の10mくらい前方を急にシカの群れが横切ったので本気の急ブレーキを初めて踏む。荷物が全部前席に吹っ飛んできた。死ぬかと思ったが事故らなかったので良かった。シカだけどシカたなくはない。

道の駅わっかないへと戻り就寝。

 

9/4

ひたすらにオロロンラインを南下。

r106、サロベツ原野をひた走る。利尻島がだんだん後ろへと遠ざかっていく。旅が終わっていく。

北緯45度線を通過。オシャレなモニュメント。
f:id:pianishimo22:20191013225233j:image

天塩町へと出て、R232を南下。初山別、羽幌、苫前、小平と通っていく。天売島や焼尻島にも行ってみたいがまた今度。

留萌へと着く。黄金岬へ寄り道。
f:id:pianishimo22:20191013225218j:image

R231へ。親不知を思わせる険しい地形の最中、国道脇に急にこのレベルの滝が出てくる。いかに厳しい地形なのか分かる。
f:id:pianishimo22:20191013225256j:image

石狩平野まで出てしまうと後は普通の市街地の道で、大自然に名残惜しさを感じつつも札幌、すすきのに到着。徒歩で札幌駅へ向かいお土産を買ったりして、夕食に前回と同様だるまのジンギスカンを食べる。
f:id:pianishimo22:20191013225221j:image

言うまでもなく最高。
f:id:pianishimo22:20191013225143j:image

このために生きていたのでは…?

ホテルに戻って就寝。ずっと寝袋だったので柔らかいベッドが逆になんだか違和感。

 

9/5

この日は名古屋に帰るだけ。セイコマで朝食を買ってのんびり食べつつ、チェックアウトギリギリまで過ごす。

新千歳に向かって無事に車を返却した後、空港内を散策していたところ完全に別行程の同じサークルの面々と出会う。いつかどこかで会ったりしないかなとは思っていたが、まさか最終日に、空港で会うとは思っていなかった。

飛行機は別だったので別れて搭乗口へ。1/6の夢旅人を聴きながら離陸。そんな風にそんな風に僕は生きたいんだ。
f:id:pianishimo22:20191013225201j:image
f:id:pianishimo22:20191013225139j:image

中部国際空港に着陸。
f:id:pianishimo22:20191013225207j:image

あの涼しい空気も、遥かな大地も、突き抜けるような青空ももう1000kmの彼方。

でも不思議と悲しさは無かった。きっと、いや必ずまた行くだろうから。