わたてん最終話のもやもや。

※個人の感想です

 

 

わたてん最終話、作画も歌もよかったですね。

…でもちょっと、これだけは言わせてほしいんですけど、

 

カルミア(乃愛)さんが不憫すぎないですか???????

 

ちょっともにょっとした気持ち…じゃないや、もやっとした気持ちがあるので書きながら色々考えてみます。

まず、キャラクター間の関係を知らずに、完全に劇として(観客の立場で)みた場合。

カルミアは妹のデイジー(ひなた)と共に洋菓子店を営むキャラクターとして登場します。店名に「Daisy & Kalmia」とつけるあたり仲の良さが伺えます。では単に仲が良いだけの関係かというと、

デイジーカルミアは好きな人、いる?」

カルミア「あたしは…お店が忙しいの!ほら、手伝って!」

の会話からカルミアからデイジーに対しての姉妹愛以上の感情があると捉えるのは不自然ではないはずです。が、デイジーは天使のアネモネ(花)に恋をします。報われねぇ…。その後、カルミアは物語にほとんど絡むことなく退場します。

デイジーの孫であるマリー(乃愛)はアネモネと出会い、デイジーの愛を受け継いでアネモネと結ばれ共に過ごし、最後には天使の国に召されマリーとアネモネはデイジーと再会するのですがそこにはカルミアの姿はありません。

カルミアがデイジーのことを好きだとした場合、カルミアは、デイジーがいつまた会えるとも分からない最愛の相手を想いながらも他の人と結ばれるのをただ見守ることしか出来なかったわけです。せつねぇ…。

あるいは、先の会話が完全に(我々に対して)ミスリードで、カルミアが恋愛感情を持っていなかったとした場合はそういった報われなさは劇の中においてはなくなるのですが、劇中劇であることを考えるとそれはそれで乃愛がとても不憫になってしまうのです。

次に劇中劇として見てみます。

乃愛はひなたに対して、恋愛感情とは言わないまでも特別な感情を抱いていることは恐らく間違いないはずです。11話で「ひなたちゃんのお姉さんともう2つ、3つも役をやるの!」と発言しているあたり、カルミア役が特に思い入れの深い役であることがうかがえます。乃愛にしてみれば現実のひなたのお姉さん、つまりみやこはひなたの愛情の対象で、なりたかった主役になれなかった乃愛がカルミア役を自慢することもひなたに対する感情を感じます。

そのカルミア役がちょい役あるいは負けヒロイン枠なわけですから、乃愛の不憫さが際立ちます。なんでこんな脚本にしたの先生。っていうか小学生に死別百合さすな。

そこでじゃあ、カルミアが報われるような展開として、アネモネへの恋が叶わぬものだと受け入れたデイジーと、そんなデイジーを慰めるカルミア、二人の間にはいつしか…としてデイジーカルミアの間に出来た子の子がマリーだとすることも出来ますが、それはそれでアネモネの代替として愛されることを受け入れたカルミア、みゃーねえの代替として愛されることを受け入れた乃愛、というふうに境遇が一致し、本当にハッピーエンドなのか…?と思いたくなります。

というふうに、どう解釈しても乃愛あるいはカルミアが報われないような気がしてもやもやします。

最終回として、キャラクター全体にスポットを当ててストーリーとしても一旦手じまいにしなければいけないことは重々承知してはいますが、10話の感じで最終回がよかったんじゃないかなぁ…とも思ってしまいます。同じ劇でももうちょっと乃愛の演じるキャラクターがもっと幸せになってもよかったんじゃないかと…最初にも言った通り作画や歌や演出が良かった分。

個人的には日常系の(あるいは日常系に近い)作品ならあそびあそばせ最終話みたいな、本当に何ともない、「これが最終回!?」みたいな終わり方でも、むしろその方がいいんじゃないかなぁ…とか思ったりしないでもないです。好みは別れそうですけど。