空気になりたい、いや、空気すら烏滸がましい

まだ頭が休まらないので思いつくままに文章を綴りたいと思います。

作品の布教の話を書いた後にこんな話をするのもなんなんですけど、私って別に人と作品を語り合いたいわけではないんですよね。先のブログに書いた通り自分の感情を具体化できない(したくない)せいで語るのがクッソ下手なのもそうなんですが、作品を作品として切り離された一つの世界として浮かべておきたいという思いが強いというか…。

 

私は登場人物に感情移入するという行為がどうしても苦手というか、できないというか、むしろ嫌いですらあります。いや、別に何の感情も抱かないとかそういうわけではなく、キャラクターの感情を読み取ることは(おそらく)出来るしそんな風に読んでいるのですが、あくまでそのキャラクターはそのキャラクターで、自分ではないという思いが強いんです。自分にどれだけ近いキャラクターだろうが、自分ではないし、同一視なんて死んでも出来ません。こういう思考なので俗にいう”泣ける”というのも苦手で、どんなに泣きのストーリーだとしても感動こそすれ、泣いたことは無いです。これも主張はしておきたいですけど、決して無感情なわけではなくて自分自身に対する不幸なら普通に泣きます。よく遊んでもらっていた親戚が亡くなったとか。

特に私の好きな百合だとか日常系の作品に対してはそういう思いが強く、完全に自分の意識の介入を遮断しようとしながら見ています。できることなら他の意識をすべてシャットアウトして直に情報だけをインプットしたいくらいです。もしかしたら感情移入が嫌いなせいで(おかげで)こういう作品が好きになったのかもしれませんが…卵が先か鶏が先かの話じゃないですが、どっちなのかは永遠に分からないでしょうけれど。

日常系の作品を観ているときには、その作品世界に開けた窓から世界を覗き見ているような…いや、そんな自分の存在を仮定するのも死ぬほど嫌なんですけど、あくまでイメージとして、そういう風なスタンスで作品を鑑賞しているのです。あくまでその世界とは独立した…しかしながら観測者としての自身の存在も否定したいので…となるともはや言葉で表現することは絶対に出来ないとは思われるのですが。よくいう”空気になりたい”とか”壁になりたい”というのも烏滸がましいとすら感じるので、本当になんというか、観測すること自体おかしいのでほんとは観たくないんですけど、とはいえ観たいので………。

とそんな拗らせまくった自分のスタンスはひとまず置いておくとして、そこに他の人の感想を差しはさむとその人のイメージが差しはさまれることになってしまうのです。他人の感想を受け取ったのはほかでもない自身ですから、他人のイメージを想起するというのは自身のイメージを想起することに他ならないのです。他者を通して間接的に自身の存在を感じてしまうのです。いやむしろ自分の感想ですらちょっと嫌です。とにかくその世界にあらざるものを持ち込むことを強烈に拒絶しているのです。実のところどんな感想でもダメかというとそういうわけでもなく、自分から遠いほど平気になります。ニコニコ動画なんかのコメントが平気なのはこういう理由で、匿名のコメントは自身との干渉の全くない概念体という感じで別に普通に見ることができます。むしろ、自身もその集団に入り込むことで自身の存在すら概念の集合体へと意識の上では変化させることができるので好都合なわけです。人の少ない田舎で生きていくにはどうしても自己の主張というものが自ずと必要になりますが、都会の雑踏に暮らすには自己を捨て去っても、いや、捨て去った方が好都合でありさえします。twitterだけで繋がりのある匿名のアカウントのコメントなんかもまだ割と平気です。ただ、頻繁にリプライで会話をするような間柄だとだめで、フォローはしてるけれど絡みはない、みたいな関係に限られてしまいますが。顔見知りとかリアルな知り合いだと完全にダメで、”○○っていいよね”ぐらいのフワッとした感想なら良いのですが”このシーンが…”とか”このキャラが…”みたいな会話になるともうだめです。強烈に耳を塞ぎたくなります。

自分でもなかなか難儀な性格をしているのは自覚していて、割とそれで困ったりすることもあります。例えば自分が作中に出てくるコンテンツがもう本当にダメです。分かりやすい(かな)のがアイドルマスターシリーズで、知らない人のために解説すると、自分がプロデューサーとなってアイドルをトップアイドルへと導く…というのがアイドルマスターなのですが、この文章をここまで読んでくれている方ならわかると思いますが(そんな人いるのかな)、私がこんなの出来るわけないじゃないですか!!!アイドルマスターのシャイニーカラーズというシリーズがあって、これも同じようなストーリーのゲームなのですが、数時間プレイして違和感に耐え切れなくなって止めました。ちょこ先輩放置しちゃってごめん。アイドルマスターのシリーズは本当にキャラクターが魅力的で、大好きではあるのですが、本体のゲームだけはどうしても無理なのが悲しいのです。そのせいで二次創作と、”プロデューサー”の絡まない公式の上澄みのみをさらうことのできないこの性格が憎い…。加えて言うならアイマスにはいわゆる推しキャラに対して自分を”○○担当(P)”という文化があるのですが、当然これにも強烈に違和感を感じてしまうのでプロフィールなんかは天地がひっくり返っても書けません。

というより、推しという意識すらも苦手です。誰かを推すという行為は内在的に自己の存在を確定してしまうので、自己を否定する限り推すという行為は不可能なのです。なので何推しかと言われると全推しとしかいいようがないというか、言うなればその世界推しというか。

 

こんなこと書いてると私に作品の話振っちゃだめみたいな風に思うかもしれないですけど、決してそんなことはないので…!!おすすめの日常系とか百合をぜひ教えてください…!ただ、ほんとできればでいいんですけど、あんまりキャラクターの好みとかこの場面がいいとかそういうのは言わないで頂けるとありがたいです………!!(わがまま)