自転車旅に関する極めて個人的な感想

わたしは旅行が好きです。その中で特に、一人で旅をするのが好きです。自分を見つめるとかそういう意識高そうな理由から一人が好きなのではなくて、もともと内向きな性格(ぼっち気質)が災いして、人に気を遣わせるのも人に気を遣うのも好きではないせいです。実際に相手が私に気を遣っていないとしても、気になってしまう私がいるのでどうにも気疲れしてしまう、そういう雰囲気が嫌いなのです。なので本当に気心のしれた相手となら何人旅行でも構わないですけど(人付き合いの活性化エネルギーが高い)。

ところで、一人旅といって浮かんでくるのはバックパッカーであったり、自転車旅行であったりするのではないでしょうか。なんとなくそういったものには私も憧れがあって、今年の夏に自転車旅行の聖地ともいえる北海道に行ってきたのですが、そこで理想との違いに直面しました。

なんというか、(特に?)夏の北海道の自転車旅行って全然孤独じゃないんですよね。最初に走った場所があんまり郊外ではない苫小牧~室蘭だったのも悪かったのかもしれないですが、道であったりキャンプ場であったり、そういうところに結構同じ旅人がいるんですよね。走行中はまあまあ孤独なんですけど。

そもそも一人旅が好きな人には多分二種類がいて、おそらくメジャーな「日頃の関係の外にいる人との交流を楽しむタイプ」と、わたしみたいな「人間関係から解き放たれて知らない世界に行くのが好きなタイプ」とがいると思います。どちらがいいとかそういう話ではなく、別段前者のタイプに対して抱く感情はないのですが、自転車旅行をするような人はほとんどが前者のタイプなんですよね(単に前者しか見えていないだけかもしれないですが)。キャンプ場みたいな狭い空間で二つのタイプの人が同居すると、後者はただただ肩身の狭い思いをするだけになってしまいます。断じて前者はもっと後者に気遣え!みたいな話ではないですよ。

後者みたいなタイプの人が孤独に旅行したいのなら、バスや鉄道のような公共性の高い移動機関を使って、ビジネスホテルやネットカフェみたいな事務的な宿泊施設に泊まる、これこそが最も孤独で(幸福な)旅行となるわけです。

これから私が自転車旅をすることはないでしょう。自転車自体は好きだし、漕ぐのも軽いし、各種パーツの調整や交換もちょっとした機械いじりみたいで楽しいですしこれからも通学のお供として付き合うとは思いますが、話しかけられたくないので遠乗りすることはないと思います。雑踏に紛れて、孤独に、ここではないどこかへ向かうのに気を遣う必要はないのではないかと、気が付いてしまったのです。

ところで一応フォローしておきますけど、夏の北海道は普通にいくなら涼しいし食べ物はおいしいしウイスキーもおいしいし最高なのでみんな行きましょう。来年もいけたらいいですね。